シャープのペロブスカイト太陽電池
高効率・宇宙用への応用戦略

シャープの太陽電池における世界記録

  • 集光型3接合化合物太陽電池で44.4%の変換効率(2013年、世界記録当時)
  • 宇宙用InGaP/GaAs/Ge 3接合セルの量産技術
  • 国際宇宙ステーション(ISS)などへの電力供給実績

シャープの太陽電池事業の背景

シャープは1959年に日本初の商業用シリコン太陽電池を開発した「太陽電池メーカーの老舗」です。特に宇宙用多接合太陽電池では世界トップレベルの技術力を持ち、その知見をペロブスカイトを使った次世代タンデムに応用しています。

ペロブスカイト開発の特徴

1. 宇宙用ペロブスカイト太陽電池

宇宙空間では地上と異なる宇宙線・紫外線・温度サイクルが太陽電池を劣化させます。シャープは既存の宇宙用太陽電池開発で培った耐放射線・耐久性評価技術をペロブスカイトに適用し、宇宙用途への展開を研究しています。

  • 軽量・薄膜という宇宙用途に合致したペロブスカイトの特性
  • 小型衛星(CubeSat)向けフレキシブル電源としての可能性
  • 放射線環境下での劣化評価・封止技術の研究

2. 多接合タンデムへの展開

シャープが強みを持つ3接合・4接合化合物半導体太陽電池(GaAs系)にペロブスカイトを組み合わせることで、40%超えの超高効率セル開発を目指す研究が進んでいます。

  • ペロブスカイト(1.7〜2.0 eV)+ GaAs(1.42 eV)+ Ge(0.67 eV)などの組み合わせ
  • 集光型システム(CPV)との組み合わせで理論効率70%超も視野

3. 地上用高効率モジュール

高コストの化合物半導体に対して、ペロブスカイトは大幅なコスト低減が期待できます。シャープは高効率と低コストを両立する地上用ペロブスカイトモジュールの開発にも取り組んでいます。

開発マイルストーン

時期内容
1959年日本初の商業用シリコン太陽電池製造開始
2013年集光型3接合化合物太陽電池で44.4%の世界記録(当時)
2021年〜グリーンイノベーション基金関連プロジェクトへの参加
2022〜2024年ペロブスカイト/化合物半導体タンデムの基礎研究
2028年以降商業用ペロブスカイト製品の投入(目標)

シャープの競争ポジション

シャープのペロブスカイトへの取り組みは、積水化学・パナソニック・東芝と比較すると商業化ターゲットがより高難度・高付加価値の用途(宇宙・集光型)に絞られているのが特徴です。地上用の量産市場よりも、技術的差別化が可能なニッチ市場を狙う戦略です。

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