パナソニックのペロブスカイト太陽電池
HIT技術を活かしたタンデム型・建材一体型

パナソニックの太陽電池事業と強み

パナソニック株式会社は、HIT太陽電池(ヘテロ接合型シリコン太陽電池)の開発・製造で世界をリードしてきたメーカーです。HIT太陽電池は高い変換効率(25%超)と優れた温度特性で知られており、この技術的蓄積がペロブスカイト太陽電池開発の土台となっています。

HIT太陽電池とは

HIT(Heterojunction with Intrinsic Thin-layer)は、結晶シリコンの両面に薄いアモルファスシリコン層を挟んだヘテロ接合型太陽電池です。パナソニックが開発し、一般的な多結晶シリコンより高効率・高温特性に優れた製品として住宅用で高いシェアを誇ります。

ペロブスカイト開発の2つのアプローチ

① ペロブスカイト/HITタンデム型

既存のHIT太陽電池の上にペロブスカイト層を追加した2接合タンデム型です。

  • 目標効率:30%超(HIT単体の25%超からさらに向上)
  • 強み:HIT製造ラインの活用。既存の設備投資を最大限利用
  • 課題:ペロブスカイト層の大面積均一成膜、長期耐久性

2022年には4端子タンデム型で29.7%の変換効率を達成しており、商業化に向けた2端子一体型の開発を進めています。

② 建材一体型(BIPV)

ペロブスカイト太陽電池を建材(屋根・壁・窓)に組み込んだ製品の開発です。

  • ターゲット:住宅・オフィスビル・商業施設の外装材
  • 製品形態:瓦型・パネル型・半透明窓型
  • 2025年実績:建材一体型モジュールのサンプル提供開始

主要な技術成果

成果
2020年ペロブスカイト/HIT 4端子タンデムで27%超達成
2022年4端子タンデムで29.7%を達成(国内最高水準)
2023年建材一体型プロトタイプを展示会でお披露目
2024年2端子一体型タンデムで30%超を目指した試作品を完成
2025年建材一体型モジュールのサンプル出荷開始

商業化戦略

パナソニックは「高効率・高付加価値」路線での差別化を狙っています。中国メーカーが主導する低価格帯の量産市場への参入ではなく、HIT太陽電池で培ったブランド力・効率・信頼性を武器に日本・欧州・北米の高価格帯市場を狙います。

  • 2027年目標:建材一体型製品の商業販売開始
  • 2030年目標:タンデム型の住宅用商業製品化。30%超モジュール効率の実現

グリーンイノベーション基金への参加

パナソニックはNEDOのグリーンイノベーション基金(GI基金)「次世代太陽電池の開発」プロジェクトに採択されており、タンデム型・建材一体型の開発に対して補助金支援を受けています。

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